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六、断腸の思い

六、断腸の思い

 その直後、久保木兵曹、左殿部に貫通銃創複雑骨折の負傷をする。我等が
朝な夕な軍艦旗掲揚をしていた「大和」のあの巨大な姿が永遠に眼前消え去
ろうとは、実に断腸の思いである。

 私が戦傷者の手当てをしながら外を見たら、我が「雪風」以外は、ただ水
平線が見えるのみ。屈強「雪風」は一路沖縄へと進撃を続けていたのであ
る。豪傑艦長寺内中佐の意を体し雪風の一兵に到るまで、その闘魂鬼神も泣
かしむるものがある。


yukikaze


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